教員養成学部における実物投影機活用事例集

CASE STUDIES
実物投影機を活用したオンライン化学実験
リモート化学実験の可能性の探求
現職教員向け研修講座 「家庭でできる化学実験」
実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ

実物投影機を使って研修講座の配信を実施しました。
化学実験室での実験過程をオンラインで講義室へ配信し、化学実験をリモートで体験してもらいました。

実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ
実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ

実験内容(中学校第2学年:化学変化と原子・分子、化学変化と質量の変化)

重曹とクエン酸を水に溶解して反応させ、発生した二酸化炭素の質量を求める。また、実験結果のグラフを利用して、一定量の重曹と反応するクエン酸の質量を求める。実験結果はGoogle スプレッドシートで整理して、データはオンライン上で画面を配信し、共有した。
家庭でも簡単に入手可能な身近な素材を用いて、エンターテイメント的なものではない、科学的な見方・考え方を深めることができ、試験にも出題されるような定量的な実験を適用した。

実験準備

実験器具等


プラスチックコップ
はかり
マドラー
さじ

試薬


重曹
クエン酸
水道水

準備時のポイント

操作の安全面を確保するため、広めの実験台で実施した。市販品として入手しやすいものを利用した。

配信用使用機器

配信用使用機器


実物投影機
パソコン

接続方法


実物投影機をパソコンとUSBケーブルで接続し、Zoomのビデオカメラとして実物投影機を利用。

準備時のポイント

実物投影機は、実験操作の妨げにならないように設置した。また、ズーム機能を活用し、操作の手元ならびに、はかりの目盛りを見やすくした。

オンライン配信 

配信側 実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ

化学実験室での実験操作の様子

 
受信側 実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ

講義室での受講の様子

工夫したこと
実物投影機の設置場所を工夫した。 配信側の写真のように奥行きをもたせる配置にすると、機器操作のみならず実験操作もしやすくなった。
大変だったこと
受講者に実験の過程が見やすいように、実験操作をしながら、実物投影機のズームイン、ズームアウトの操作を並行して実施しなければならない点(特に天秤の数値の投影時)。

感想

受講者の感想

  • 次に学校が休校になった際に活用できそう。
  • 理科室での移動が容易である。
  • 家庭での定量的な実験の実現可能性を実感した。

オンライン化学実験を実施してみて

化学実験は実際の操作をすることが必須である。しかしながら、休講にともない、オンラインでの授業を実施する際にも、家庭で用意した物品を用いて、実験する際のポイントをリアルタイムで配信できること、また実験操作のちょっとしたコツを伝えやすいツールとなり得る可能性を感じた。

実物投影機を活用したオンライン化学実験 イメージ

佐藤和紀先生のワンポイント解説

教員養成の教員が、学校現場の教員に対して「研修内容」を伝えるだけではなく、研修を進める中で「研修方法」も伝えています。このことを通して、学校現場の教員は「授業方法」も獲得し、児童生徒に「学習内容」を「どのような方法」で伝えれば、わかりやすい授業ができるか、ということを獲得することができます。

※Google スプレッドシートは、Google LLCの登録商標または商標です。

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「ACCADEMICA」各号のご紹介

ACCADEMICA Vol.1
vol.1

教員養成学部での様々な
授業形態における
実物投影機活用事例

  • 〇巻頭言  
    • 「教員養成学部における実物投影機の活用とICT活用指導力の育成」
    • (信州大学教育学部・
      附属次世代型学び研究開発センター長 村松 浩幸)
  • 〇教員養成学部での授業形態における実物投影機活用事例
    • ・オンライン同期型授業での活用(教師の活用)
    • ・対面+オンラインのハイブリッド型授業・
      ハイフレックス型授業での活用(教師の活用)
    • ・対面授業での活用(学生の活用)
  • 〇リフレクション
    • (信州大学学術研究院教育学系 
      数学教育グループ 准教授 昆 万佑子
                     社会科学教育グループ 准教授 藤崎 聖也)
ACCADEMICA Vol.2
vol.2

教員養成学部での様々な
授業形態における
実物投影機活用事例

  • 〇巻頭言  
    • 「教員養成学部における実物投影機の活用とICT活用指導力育成を次の一歩へ」
    • (信州大学教育学部・
      附属次世代型学び研究開発センター長 村松 浩幸)
  • 〇分析  
    • 「教員養成の実物投影機の活用分類」
    • (信州大学学術研究院教育学系 
      教育科学グループ 助教 佐藤 和紀)
  • 〇教員養成学部での教師、学生による様々な授業形態における実物投影機活用事例
    • 教師による活用
    • ・対面授業での活用
    • ・オンライン同期型授業・対面+オンラインの
      ハイブリッド型授業・対面授業での活用
    • 学生による活用
    • ・対面授業での活用
    • ・オンライン同期型授業・対面+オンライン
      非同期型(オンデマンド)授業での活用
    • ・対面+オンラインのハイフレックス型授業での活用
    • 実物投影機を活用したオンライン化学実験
    • ・リモート化学実験の可能性の探求 現教職員向け研修講座「家庭でできる化学実験」
  • 〇リフレクション
    • 「投影への挑戦による新たな学びの創生」
    • (信州大学学術研究院教育学系 
      数学教育グループ 准教授 昆 万佑子
                     社会科学教育グループ 准教授 藤崎 聖也)